2013年6月22日土曜日

リサイクル学 「リサイクルショップの始め方」 仕入について

「リサイクルショップの始め方」

リサイクルをもとにモノやコトを再循環させるには

その意識だけでなく、実際の経済活動の循環に参加しなくては長続きしません。

当店が少なからず経験してきたビジネスのほんとのお話をすることで、

リサイクルについて、またビジネスについて何かヒントになればと思います。

率直に綴っていきますので疑問点あればご質問もお待ちしております。


今回は

 「仕入れ」について
商売は仕入れが生命線です。

特に一品物、現物が多い古物業では売れる品物を安く買えれば、その時点で売上が約束されます。

仕入ルートを大きく並べると

①古物市場
②骨董市(フリマ等)
③リサイクルショップ(他店)
④ネット
⑤解体屋、スクラップ屋さん
⑥「おいくら」等の仲介サイト
⑦店舗持込、出張買取

上記のようなルートがあります。順に詳しく解説します。
①古物市場で仕入れる

日本全国に古物市場という古物を売買している市場があります。
この市場に参加すれば掘り出しものや珍品など、さまざまな商品を仕入れることができます。

探し方ですが、実はネットでもすべてを網羅し切れていません。
古物商の業界というのは、まだ昔気質な業界でもあり、ネットが行き届いてないのが現状だからです。
紹介、口コミ、電話帳、業界紙等々などで、あらゆる情報網を辿って市場の関係者と接触しましょう。
どんな市場でもそうだと思いますが、市場という場所は「顔見知り」な関係性がとても大切にされます。
ネットを使うことで古物商の参加ハードルは年々下がっており、若い世代の人も増えてきています。
しかし、市場などのリアルな場所では、ネットオークションのように数字だけが売買を決めるわけではなく、人間関係が含まれる独特の空気を読みながら、売買をします。

はじめての方にはなかなか難しいかもしれませんが、実はそこが市場で売買をする醍醐味でもあります。
もちろん商品だけで見れば非効率かもしれませんが、市場の持つ地場の力はそれだけではありません。
商品・仕入・販売のあらゆる情報がここで交換されます。どこの地域が仕入しやすいか、いまどんなものが売れているか。
古物にしても商品価値のない廃材はどう処理するかなどの生きた情報がそこにはあります。
例えば、先日放送されたビジネス番組で、廃棄家電の処理について特集されていました。
廃棄家電が中国に流出されている問題や解決策である採算性の見合う処理事業を国内で確立していく様子が流れていました。
このような廃棄家電の処理事情については承知していますし、具体的なルートや、そこでビジネスが存在していることまで市場で情報交換されています。
言ってしまえば、リサイクル業界の経済圏が、かなり正確につかめる生きた情報を知る場所として昔気質な場所は有効に機能しています。
仕入のメインルートが市場ではなくても、勉強の意味も含めて市場で「顔見知り」になることも大切です。

具体的に参加するために必要な物は 

①「古物商許可証」
②「紹介者」
③「入会金」
④「売歩銭」

①「古物商許可証」--これが無いと市場に入れません。見学はまず無理でしょう。
 許可証を持っている人と同伴も出来る市場と出来ない市場があります。
 許可証の取得方法は別掲します。

②「紹介者」--紹介者が必須の市場とそうでない市場が混在しています。
 要らない市場でも紹介者がいた方がスムーズに参加できます。
 一般の商取引よりはやはり古い体質がある市場も多いのが実情です。
③「入会金」--¥0~¥10000位まで市場によってマチマチです。
④「売歩銭」--売り手側が市場に払う手数料です。売価の5~10%位が多いようです。
 ※古物市場には独特のルール、マナーがありますがこれも別掲で。

②骨董市(フリマ等)で仕入れる

骨董市やフリーマーケットは相当の頻度で各地で開かれています。
開催情報もネット等で簡単に得られます。
仕入のコツとしては、朝一に行くのがおすすめです。
プロの業者が出る骨董市は日の出頃から搬入、陳列している事もあります。
掘り出し物、一品物を先に見つけましょう。
売上を早く作りたいのは商売人なら当然です。早朝客への値引きサービスも期待出来ます。
商売人の心理を読んだ上で、こちらも上客として出向きましょう。
ここで疑問に思わる方が多くいらっしゃいます。
つまり同業者から買って割りに合うのかという点です。
実際な話ですと同業だと正直に言えば、業者価格で分けてくれる事もあります。
またプロの業者といっても専門の品を本気で売りに来てる業者と
専門外の品を在庫処分の意味で、売りさばきに来ている業者のふたつに分かれます。
同じ場所でも値付けの違いや交渉次第では安く買うことができるでしょう。
また各業者によって値付けはまちまちです。
相場から外れた値付けをする事も多く、安ければ買い、高ければスルーしましょう。
プロでも間違いはあります。

③リサイクルショップ(他店)で仕入れる
古本でいうところの「セドリ」ですね。
②で紹介したように、専門外の品の値付けは相場からかけ離れる事もあります。
また、店の地域性、客筋、在庫状況、店主の好み等々により売価は変わります。
また①の古物市場も同様の理由から相場はそれぞれ異なります。
A市場で¥5000で仕入れた品がB市場で¥10000で売れる、ナンテいう事もあります。
これは古物業界で「ハタシ」といいまして、
市場(店)で仕入たものを別の市場(店)で販売して稼ぐ人の通称です。
これで生活をしている人がいるくらいですから、古物商というのは経済の根っこがむき出しで残っている面白い世界ともいえます。
少し話はそれますが、この「セドリ」や「ハタシ」というのは経済活動を知る上で重要な「知恵」でもあります。
経済はおもにモノやサービス・情報の交換です。
交換の合意を決めるのが互いの需要と供給のバランスです。
「セドリ」は市場の需要価格のズレを掴んではじめて出来ます。
ズレを情報として知っている。つまり情報の非対称性がビジネスの根っこです。
この感覚を知っていれば、あとは各業界の需要と供給の関係に照らし応用すればビジネスは成立します。
もちろん、その関係が分からないから儲かるか儲からないかが難しいんですよね。

④ネットで仕入れる

各オークションサイト、激安販売サイト、等々探してみて下さい。
経験上、新品物 数物(ロット販売物)、定番物、型番物(家電、AV機器など)は向いています。
ネットの特性上、仕入業者の営業費が安く済むので、販売価格が安く設定されています。
それはこちらから見ると、仕入費となり他の仕入れと違って経費は抑えられますね。

⑤解体屋、スクラップ屋さんから仕入れる

このルートについては、本やネットではあまり掲載されていません。
おそらくこのルートは取材が行き届かないルートなのでしょう。
実際にビジネスをしてるものからしますと、解体屋さんとのルートが出来れば仕入が効率的です。例えば、家一軒の解体の際、事前に買い取れる品のみ回収させてもらうこともできます。
廃棄物になってしまいそうな物が商品になる訳ですから、リサイクルに関わる者としては社会貢献の瞬間でもあり、精神面でも気持ちが良いです。
当店取扱いの商品もスクラップ屋さんから買い取った品物は少なくありません。
まだ使えるか使えないかの線引きは、やはり③で述べたように情報を持っているかどうかで決まります。
スクラップにかけられそうな物でもまだ生きている物はあります。
リサイクルショップというのは、モノが長く人の生活に寄り添うために必要不可欠な商売であり、最後の砦とでもいいましょうか。
いかに再循環させるか後世に残すか。
これがリサイクル関係者の「やりがい」でもあります。


⑥「おいくら」等の仲介サイトで仕入れる

リサイクルショップと品物を売りたい個人とを仲介するサイトは増えてきています。
月々の利用料(数万円)が掛かりますので費用対効果を見極めて下さい。


⑦店舗持込、出張買取で仕入れる

お店があれば、店舗看板、電話帳等の広告、HP等々を見て、買取の依頼があります。
多くのリサイクルショップの柱としている方法です。


解説は以上となります。

疑問点などもう少し詳しく知りたい方はどうぞお気軽にご連絡ください。
ブログもしくはメールで回答させて頂きます。

次回は「売上」販売方法や利益の出し方についてお伝えする予定です。

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