「人は100Wで生きられる」 著 高野雅夫
まず前提として現在一般家庭で使用されている電力量ですが、
バブル経済が始まる前は
1世帯あたり1日平均 7090ワット 1時間およそ300ワット
少し前のデータですが2009年では、
1世帯あたり1日平均 9450ワット 1時間およそ400ワット
25年で約30%増量しており、要因は1世帯あたりの家電の所持数が増えていることが主な要因です。
エアコンや空気清浄器、パソコンなどより家電を必要とするライフスタイルへと変化していると言えます。
・現代人は突き詰めれば、100Wでも豊かに生活できるのではないか?
・100w以上の電力消費は比例して便利さを得るが、それは余剰であり、過剰ではないか?
上記のような問いに答えるような生活のモデルケースを明示し、
かつ、現在の電力供給の仕組みなどの解説から、
我々が普段何気なく利用している電気というものの存在の違和感を簡潔に説明してくれる。
著者は「100W」を切り口に改めて人間と電気との関わり方を提唱している。
印象的な箇所に、自然と書いてしぜんと読むが本来は じねん と読むと説明するくだりがある。
これはつまり、自然は、自ら然るべく、といった行動をとると。
自然の合理性は人間の知性をもとにした合理性よりも理に適っていると。
本著内の、
電気と付き合っていく上で欠かせないことに、自然との付き合い方も同時に見直す必要がある。
というパラグラフで自然農を提唱する方への一般人への疑問が
「それでいくらほど収穫できるのか」だったそうで答えは
「家族が食べていける量と少し」
その答えには、自然は自分たちが本当に必要な量は恵んでくれるという強い確信が含まれている。
現代社会が持つ電気の存在は、そういった自然の経済性との距離をとったことで強い存在感を誇示してきた。
しかし、いまこの存在感に違和感を覚える人も少なくない。
新しいアイデアや方法、価値観が問われ自然への関心が増すなか
自然から返ってきた答えが「自ら然るべき」という じねん の力強さだったことは
現在社会が抱えている経済への一条の光だともいえる。
その光は人工的でない。
100Wで暮らす人々の生活、経済は人工的でない自然的なつまり
じねん な光を放った豊かな光景かもしれない。
電気と自然へのアプローチは今後とも勉強する必要があるのだと再確認しました。
道具屋C,1のHP
http://www.geocities.jp/nohi1212/
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