2013年7月4日木曜日

リサイクル学:小商い「昭和の小商い:粘土屋」

今回は

温故知新、歴史から学ぶ、そんな大そうな話じゃないですが、

昔のモノやコトを見直すことで、新しい発見があるかもしれません。

今回は昭和の小商いについてひとつ。


粘土屋(型屋ともいう)

・時は、昭和30年代後半から40年代前半

・場所は、小学生が多く遊んでいる公園、空き地

・おじさんは1年に1回位の登場し、自転車に商売道具を乗せて放課後にあわせてきます。
夏休み等は午前中から夕方までいました。


・素焼きの粘土型、粘土、色粉が商品です。

素焼きの型は大小あり、タバコの箱位のサイズは5円、週刊誌サイズは200~300円程。

ちなみに当時は5円で駄菓子屋で菓子1,2個買えました。

粘土は1本5円で最小サイズで3,4回分使えました。

色粉は金、銀、赤、青等7色位あり紙包み一つが5円。

初期投資は型5円、粘土5円、色粉3色で15円の合計25円、結構な金額です。


・型は漫画キャラクターの仮面、動物、風景等様々です。

型に粘土を押し込んで丁寧に型から抜きます。

粘土の表面に色粉で彩色します。

出来上がった作品をおじさんに見せ、採点してもらいます。

点数はどうゆうわけか桁が多く最低1000点から十万点位までありました。

おじさんの採点後に、点数が書いてある厚紙カードで貰います。

採点基準に配色の美しさとか丁寧な仕上がりとかは全く採点に関係なく、大きな(高価な)型で色粉の数の多い作品が高得点なのです。

例えば、25円セットの子供は1000点しかもらえません。
お金持ちの子供は1個の作品で高得点をもらえますが、庶民的な家庭の子は数で稼ぐしかありません。


・1万点くらい点数カードが溜まると、10円相当の型と交換できます。

1番高い型は100万点位でした。おじさんに煽られ、子供同士で煽り煽られ、放課後の空き地に異様な興奮状態が続きます。

それと比例して気付けばかなりお小遣いも使っている次第です。


・100万点の型は到底手が届きませんが、来週位にはちょっと大きい型と交換できる点数が溜まり、その日を楽しみに待ちます。


・翌週、待ちに待ったその日はやって来ましたが、肝心のおじさんは来ません。

おじさんはまたどこか別の街で、子供たちに商売をしていることでしょう。

社会を教えてくれた粘土屋のおじさん。


この商売はいまはもう見かけませんが、形を変えて現在の商売にも残っていたりします。

粘土屋の構造は

・型や色粉などのハードやソフトを販売
・おじさんを基準にした点数評価
・点数と型の交換、もしくはお金での型の交換
・参加者である子供達がたくさんいる場所

お気づきな方もいるかと思いますが、現在の携帯ゲームの構造とそっくりです。

携帯ゲームは

・カードなどのハードやソフトを販売(もしくは最初だけ無料提供)
・ゲームのルールを基準にした点数評価
・点数とカードの交換、もしくはお金での型の交換
・参加者がたくさんいる場所、つまりネット、SNS

どうでしょう。

昔もいまも商売の本質は変わらないものなのかもしれません。

それでは、また次回。


道具屋C,1のHP
http://www.geocities.jp/nohi1212/



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